県議会日程・本会議論戦(大要)・表決
ホーム > 2009年6月定例会 > 本会議論戦(大要)
2009年6月定例会
以下は、2009年6月30日の県議会本会議における、各議員の代表質問の大要です。
青野勝議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 渇水期における黒瀬ダムの放流調整について
梅雨入り後もまとまった雨が降らず、県内各地で渇水対策本部が設置され、砥部町では夜間断水が行われるなど、県民生活に大きな支障が出ている。
水の都と言われる西条市でも、渇水の恐れが強まったとして4年ぶりに水対策本部が設置され、情報収集とともに節水への呼びかけを強めている。一部地域ではポンプによる地下水のくみ上げが出来ない状況が出ており、取水不可能地域が広がるとの懸念も高まっている。
黒瀬ダムからの放流調整について、河川管理者である知事の判断で異常渇水に対応するため、一時的に放流水量を増やすよう是非とも配慮してほしい。
県営ダムの運営は、ダムに対して水利権を持つ者の要請と承諾の上に成り立ち、権限委任により河川管理者である知事の責任において管理するものと理解する。黒瀬ダムの場合、治水、工水、農水及び発電用水が目的であることから、県公営企業管理局と河川管理者である知事の承諾があれば異常渇水時に放流できることになる。黒瀬ダムが建設された際には、地下水への影響がないように貯留制限を行うことが条件となっており、渇水調整会議等においても様々な立場の団体から、放流水量を増やしてほしいとの声が度々上がっている。
渇水期における黒瀬ダムの放流調整について、どのように取り組むのか。
2 地方税財源の充実強化について
財政構造改革の最終年度に当たる今年度も「事業の選択と集中」を図り、全庁一丸となった懸命の取組みをしていることは理解しているが、多くの県民からすれば、そろそろ県政運営にも見通しが立つのではないかとの思いが募っている。
平成20年度の地方財政計画により、4年間続いた地方交付税の削減の流れに一応の歯止めがかかり、平成21年度の地方財政計画では、地方交付税が1兆円増額されるなど地方に対して一定の配慮がなされたが、十分とは言い難い。
本県でも県民をはじめ、内外に大きなしわ寄せと我慢を強いており、地方税財源の充実が強く望まれている中、全国知事会における「地方財政の展望と地方消費税特別委員会」の新しい委員長に加戸知事が就任した。これまでも知事こそがこの議論をリードしてきた第一人者であり、全国の知事から期待されての就任と理解する。
昨年12月に閣議決定された「持続可能な社会保障構築とその安定財源確保にむけた中期プログラム」において、「消費税の全税収を確立・制度化した年金、医療及び介護の社会保障給付及び少子化対策の費用に充てる」との方針が示されたことは一定の評価をするが、地方消費税については、その充実を検討するとの表現にとどまっている。消費税率の引上げと併せ・地方の厳しい状況を打開する取組みを期待する。
(1) 県財政に関する認識と今後の見通しについてどう考えるのか。
(2) 税制抜本改革による地方税財源の充実強化について、委員長就任に当たっての意気込みはどうか。
3 地域医療体制の維持・確保について
市立周桑病院が岐路に立たされている。病院会計の赤字補てんも含め、ここ2年は毎年約10億円を一般会計から拠出しているほか、最大時は36人の医師がおり、16の診療科を開いていたが、現在では常勤医師が9人となり、総合病院としての体をなしておらず、二次救急病院としての機能は果たせない。こうした現状に加え、総務省の公立病院改革ガイドラインにおいても病院事業の改革を求められていることを踏まえ、西条市は医療関係者や住民代表をメンバーとする第三者機関を立ち上げた。この春に経営改善についての答申が出され「周桑病院は拠点病院として必要であり、市が出資して医療法人を発足させ、指定管理者として経営に当たらせる公設民営化が適当」と提案している。
周桑病院が人口5万6,000人の二次救急圏域の拠点病院にならざるを得ないうえ、近い将来において医師が少しずつ確保できた段階では、今以上にしっかりとした医療体制が確保されることが市民の大きな願いである。
昨年3月に策定した第五次愛媛県地域保健医療計画では、地域の中核的な医療機関を救急医療や小児・周産期医療等を担う拠点病院として位置付けており、県としても県民の医療に対する安心、信頼を確保するため、各圏域において拠点病院が本来求められている機能や役割が発揮できるよう、地域間や関係機関・団体間の調整に主体的な役割を果たすことが強く求められる。
拠点病院を申心とした地域医療体制の維持・確保に向け、どのように取り組んでいくのか。
4 介護保険施設等の整備について
先般報道された過去3年間の介護保険施設等の整備状況調査結果によると、全国の自治体で特養ホーム等の定員を15万2,000人増やす計画に対し、実際は半分以下の7万5,000人にとどまっている。
施設整備が進まない背景には、補助金削減や介護報酬の引下げがあり、加えて国が介護療養病床を全廃する方針を打ち出したために、施設の定員減少分が新規分を大幅に上回っていることが指摘されている。
本県においても、介護保険施設の定員が500床以上減ったこととなり、介護保険施設等の不足を一層深刻化させているといえる内容であった。
先の2月定例会で「4月の介護報酬改定で今後転換への動きが活発になるのではないか」との部長答弁があったが、当初予測されたように、社会的入院は解消されるものの、医療、介護難民が増えているのではないかとの懸念がぬぐいきれない。
療養病床の再編を踏まえ、介護保険施設等の整備にどのように取り組むのか。
5 農業振興について
(1) 米飯給食の推進について
先月末に石破農林水産大臣を迎え、周ちゃん広場や西条市の第3セクターが運営する水素を利用したイチゴハウス等の現場を案内し、大臣から力強い激励をもらった。また、講演会の中で、高知県南国市の小・中学校では、家庭用電気炊飯器を置き、地元で取れた米を炊き、週5日の完全米飯給食を取り入れているとの事例が紹介された。設備がないとか手間がかかるという理由で週3日から先に進めない米飯給食の現状を考える時、ひとつの先進事例として参考になる。
学校における米飯給食の推進にどのように取り組むのか。
(2) 米粉事業や飼料用米の生産拡大などについて
石破大臣の発言を受けて、減反政策の見直し論議が加速し、3割近くの農家が減反制度に参画しない状況であるが、ただ速やかに転作の廃止や緩和をすれば、米価の暴落で今以上に成り立たない状況に追い込まれ、農業経営自体を放棄する農家も増えてくると思う。減反の負担を少しでも緩和できる取組みとして、米粉を利用したパン、うどん、ケーキなどの米粉事業は農商工連携が大いに期待できると考えられる。
米粉事業や飼料用米の生産拡大などにどのように取り組むのか。
(3) 周桑地域の柿の生産振興について
周桑といえば、あたご柿の産地であり生産量は日本一であるが、現下の柑橘と同様に販売が低迷している。高齢化が進み後継者のいない世帯も増えており、耕作放棄地もJA周桑の調査によると、丹原町管内の畑作かん水地帯約300haのうち50haに及ぶといわれ、水田と同様に個別生産、管理の限界がきている。受託集団を中心とした担い手育成は、現在、水田面積の25%をカバーし、新たな生産基盤の構築が進んでいる。
周桑地域の主力作物である柿の生産振興について、新たな担い手育成の手法を取り入れていくことが求められると思うがどうか。
(4) 柿一筋に生計を立ててきた果樹専業農家も、大きな転換期を迎えている。
本県におけるみかんや柑橘の位置付けと同様に、周桑における柿を中心とした果樹農業の再興にどのように取り組んでいくのか。
(5) 「愛」あるブランド認定について
先般、大阪中央青果と京都青果を視察し、意見を交わした。以前と比べ、せり取引がほとんどなくなり、相対取引が主力をなす状況に大きく変わっていた。信頼される産地のブランドは高値で取引され、秀品率が低いものや荷揃いの不安定なものは敬遠されがちであった。以前から「愛」あるブランド産品に周桑のあたご柿が認定されていないことが気になっていた。あたご柿を中心とする周桑の果樹農業再浮揚へのはずみとなるよう、県の配慮を望む。また、「緑のささやき」のネーミングで関西市場を中心に消費者から高い支持を受けるアスパラガスの「愛」あるブランド認定についても、強い要望がある。
優れた農林水産物の「愛」あるブランド認定にどのように取り組んでいくのか。
(6) 今後の新規就農対策について
最近うれしいことは、若者の農業ブームであり、雇用の受け皿として、農業が救世主のような雰囲気がある。そんなに甘いものではないことは、多くの人が理解していると思うが、農業の大切さに理解を示す若者が増えてくれば、今後の農業も楽しみである。
本県の新規就農者の現状を踏まえ、今後の新規就農対策をどのように進めるのか。
石川稔議員(社会民主党・護憲連合)の一般質問(大要)
1 景気・雇用問題について
昨年来の経済危機に対し、国は史上空前の補正予算を組み、本県も臨時県議会の開催などにより、実質的かつ様々な経済対策、雇用対策を行っている。
1月臨時県議会では、総額65億円強、2~3月に720人程度の新規雇用を見込む雇用対策、融資枠の拡大等、さらに本年度当初予算では、2,450人程度の新規雇用を見込む雇用対策等を打ち出した。
しかし、非正規労働者の雇止め等は、5月時点で1,153人。1か月前の調査から約50人増えているとの報告がある。
(1) 1月補正以降の雇用対策の実態はどうか。この雇用対策はどのような効果を、生み出したと認識しているのか。
県内の景気・雇用の見通しも、併せて問う。
(2) 2月県議会では、定額給付金について、批判的な立場、あるいは大きな期待を持つ立場からの質疑もなされた。
定額給付金の県内への経済的効果はどうか。
2 動物愛護について
いわゆる動物愛護管理法に基づく愛媛県動物愛護管理推進計画は、2017年度までの10年間を計画期間とし、動物に関わる全ての人々による「人と動物が共生する豊かな地域社会」の確立を目指している。
動物愛護管理法の「知事等は、地域における犬、ねこ等の動物の愛護の推進に熱意と識見を有する者のうちから、動物愛護推進員を委嘱することができる」との規定に基づき、本県では動物愛護推進員を107人委嘱しているが、四国のほか3県では30人台。本県の突出振りは際立っている。
多くの動物愛護推進員が、各地で動物愛護思想や動物の適正飼養に関する知識の普及啓発活動を実施していると思うが、動物愛護センター及び所管課等との有機的な連携を持ち、十分に機能発揮されているか、気がかりである。動物とのふれあいを通した動物の命の大切さ、人間の命の大切さを教えることも重要な役割の一つであると思う。
昨年12月議会で教育長から「学校への芸術家派遣による感性豊かな人間形成に取り組んでいる。今後とも、芸術文化活動、読書活動、豊かな自然体験活動などを通じた情操教育の充実に努めたい」旨の答弁もあった。こうした情操教育の充実意欲にこたえるためにも、動物愛護推進員が、動物に優しく触れ合うことを通じて人にも優しく接し、命の大切さを理解してもらえるよう、学校訪問活動を積極的に行うべきと考える。
(1) 高知県では、動物愛護推進員の募集・選任の条件に、「学校への訪問活動を行うこと」がある。
動物愛護推進員の選任方法及び活動状況はどうか。
(2) 今年度から取り組んでいる学校訪問活動を、保健所、動物愛護センター、動物愛護推進員、教育委員会が連携し、より積極的に行うべきと考える。
関係機関が連携し、学校訪問活動を積極的に行うべきではないか。学校訪問活動についてのコンセプトも、併せて問う。
3 改正農地法について
農地は先祖伝来の重要な農業生産基盤であるとともに「国民の共有財産」であり、食料自給率の向上や食料の安定供給、田畑など地域資源、農家の経営基盤として大きな役割を果たしている。
農地法は、自ら農作業を行う者が農地についての権利を取得し、保護されるという「耕作者主義」を基本とし、資産保有や投機目的での取得、賃借権を厳格に規制し、耕作者の地位安定・農業生産力の増進を目的とする。
また、農地は、農村社会の基礎となり、食料安定供給をはじめ、水源、生物多様性、国土・環境保全などのほか、土地投機によるバブル経済への一定の歯止めも担ってきた。
こうした中、政府は、農業生産法人の要件緩和、特定法人貸付事業による「リース方式」の全国展開などの規制緩和により、株式会社の農業参入を認めてきた。
6月17日に成立した改正農地法は、従来限定してきた一般株式会社や個人による農業参入を貸借なら自由とするため、「耕作者主義」に立つ農地法を根本から崩していく。企業型農業が中心となれば、農村は市場原理で覆われ、農山村集落の維持や環境保全、農業の持続性を担ってきた家族農業はいずれ排除され、農地利用の緩和も所有へと進むのではないかと懸念する。
政府は、農業従事者の減少、耕作放棄地の増加や担い手への農地集積が進まないための改正と言うが、農産物価格の下落、所得低迷、担い手不足など将来の見通しが持てないことが大きな原因であり、農地法の問題から生じたものではないと考える。企業型農業では、採算が合わなければ生産は放棄され、優良農地の耕作放棄や農外使用もありえるし、食料自給率や環境保全も問題外視、さらには土地資本として抱え込むおそれもある。
法案審議過程の修正により、最低限の規制が残されたこと、家族農業経営への配慮が盛り込まれたことは評価するが、これだけでは耕作者主義を貫徹することはできない。
直接所得補償の導入により、多くの農家が暮らせる農業の実現、担い手や青年就農者の育成、確保、水田の多面的利用と食料自給率の向上、有機農業・環境保全型農業の推進、中山間地農業の維持を目指すべきである。
今回の農地法の改正が本県に及ぼす影響も、併せて問う。
4 公共サービス基本法について
昨年2月議会では、本県議会で初めての公契約条例についての質問をした。公契約条例は、公が発注する事業の質の確保を当然のこととし、そこで働く労働者の労働条件を犠牲にしてはならないというもの。国際的基準であるILO94号条約を認識し、官製ワーキングプアを生み出さないため、基本的な条例を定めるべきとの主旨であった。
総務部長からは「国の動向などを見極めながら、適切に対応していく必要があるものと考えている」との答弁があった。
本年5月13日、「公共サービス基本法案」が参議院本会議にて全会一致で可決・成立し、公布後6月以内に施行されることとなった。
基本法は「国民が日常生活及び社会生活を円滑に営むために必要な基本的な需要を満たすもの」を公共サービスと定義し、公共サービスに関する国民の権利を規定し、国及び地方公共団体の責務を明らかにしており、公契約条例の制定に向け、一歩前進したように思う。
この成立は、労働組合などのキャンペーン活動、公共サービス基本法制定を求める署名活動等が結実したものと考えている。
連合事務局長は、法案成立を「効率と競争最優先から公正と連帯を重んじる社会の構築に向けた第一歩」と評価するとともに、「新しい公共による安心・安全な社会の実現に向けた政策運営を求めつつ、地域・職場から運動を進めていく」との談話を発表している。
公共サービス基本法に対する所見はどうか。
5 直轄事業負担金について
国直轄事業は法律により事業範囲を定め、国が直接行う事業であり、全国的な見地から必要な広域的事業等であるが、道路法、河川法、港湾法、空港法などに基づき、国が地方に負担金を求めている。
地方が国庫補助負担金の交付を受けるには、膨大な事務手続きが求められるが、国直轄事業負担金の地方への請求は内訳についての十分な明細が示されず、地方は国の請求額を支払うだけという、国従属で地方分権にもとる手続きとなっている。
地方六団体等は、かねてから直轄事業負担金の縮減・廃止や現行制度の早急な改善を要求し、また、地方分権推進委員会や地方分権改革推進会議なども、見直しを提起してきた。
本県の国交省関係負担金は、昨年が約154億円、今年の見通しは約136億円であり、本県財政規模からすると決して小さな金額ではない。
最近、直轄事業負担金に河川国道事務所等の庁舎改修費や職員の退職手当、一般旅費、きらには地方整備局の人件費まで含まれていることが明らかになり、地方分権の課題としてクローズアップされている。
本県負担の国交省関連人件費は、昨年度が約9億5,000万円、本年度は人件費とその他事務費を含むと約13億2,000万円である。
香川県では、河川国道事務所の移転先の改修費約20億円のうち、約7億円が県負担であることが明らかになり、マスコミでも大きく取り上げられた。
全国知事会でも、事前説明なく、請求に応じて事務的・機械的に支払わなければならないという構造に対して批判が噴出し、ある知事は「まるでぼったくりバー」であると形容した。
この負担金の中身の議論は古くからあり、全国知事会では1958年に人件費負担の地方転嫁を取りやめるように要望、1976年に事務費率が地方単独事業に比して著しく高いなどの問題があると指摘している。
国交省は、1993年に赴任旅費を、1999年に休職者給与を、2001年に失業者退職手当、恩給負担金などを地方負担から除外してきた。
このような中、3月27日、参議院総務委員会は「地方分権改革を推進するための地方税財政基盤の確立に関する決議」において、「国の直轄事業については、国と地方の役割分担の明確化と国の役割の重点化の観点から、抜本的に見直すこと。また、直轄事業負担金については、役割分担の明確化等に応じ、廃止を含む見直しを行うこと」とした。また、4月24日、地方分権改革推進委員会は「国直轄事業負担金に関する意見」として、直轄事業の縮減、透明牲の確保・充実及び維持管理費負担金の廃止などの見直しを打ち出した。
(1) まず、国と地方の役割と財政負担のあり方という点で、社会資本整備に関する国と地方の役割分担を明確化したうえで、直轄事業負担金制度を廃止すべきと考える。
国事業への地方負担という制度について、知事はどう考えているのか。
(2) 直轄事業負担金に本来入れるべきではない費目が全国的に指摘されている。
直轄事業負担金に本来入れるべきではない費目が多く存在するのではないか。
(3) 全国知事会では、負担金制度の見直しを行わなければ本年度の負担金の支払いを保留するとの考えを示していると聞く。
直轄事業負担金の支払いに対する県の考えはどうか。
(4) 市町負担金の問題点
県の土木建設事業に対する負担率の上限を定める条例は1998年に一度廃止し、わずか2年後に復活した。そして今日、街路整備事業の8%、地方道路整備事業の7%が受益市町の負担となっている。
先日の定例記者会見で知事が答えていたが、市町に対し細部を説明するなどしているのか。
県土木建設事業に対する市町負担金には、直轄事業負担金のような間題はないのか。
鈴木俊広議員(自由民主党)の一般質問(大要)
1 公共事業への取り組み
平成21年度一般会計当初予算額はピーク時から約15%も減少し、とりわけ、土木部の公共投資予算額に関しては、ピーク時の約4分の1にまで落ち込んでいる。
社会資本整備が遅れている本県にとって、他地域との格差の拡大、また、30年以内に50%以上の確率で起きると言われている東南海地震など、県民生活にとって最も重要である安全と安心に支障をきたしかねないのではないかと憂慮している。
「地方再生なくして日本再興なし」という強い信念を持っているが、地方の再生のためには、特に経済が大きな後退期にある時こそ、公共事業の意義は極めて大きく、社会全体がバランス良く発展するためにも適切な執行が必要であると考える。
5月29日、国においては、地域の暮らしと雇用を支えるため、経済危機対策として過去最大の補正予算が成立し、地方公共団体の追加の公共投資に対応する臨時交付金約1兆4,000億円や経済危機対策臨時交付金1兆円などの財政措置が講じられている。本県においても、国の交付金を最大限に活用した思い切った公共投資を行い、地域活性化や景気底上げに全力で取り組んでほしい。
国の景気対策を受け、県はどのように公共事業に取り組むのか。
2 定住自立圏構想について
国において、時代の動きに即した活力ある地域社会形成を目指し、定住自立圏構想の推進などを柱とする、地域力創造プランを展開していることは、地方再生に弾みがつくものと期待している。
この構想は、地方再生戦略等に基づき、地方分権改革の推進と相まって、地方の創意工夫を生かした自主的な取組みを、政府が一体となって強力に後押しすることで地方再生を目指すといぅものであり、また、人口減少、少子高齢化など地方圏の厳しい現状を踏まえ、中心市と周辺市町村が協定を締結し相互に連携し、人口定住のために必要な生活機能の確保などを目的としており、推進要綱が本年4月より施行されている。
(1) 市町村合併により自治体の規模は大きくなっているが、人口の偏在が進み、自治体を取り巻く現状は厳しさを増している。この構想は、自治体間で協定を締結して圏域を形成する場合と、広域的な市町村合併を経た市に関する特例として、1つの合併市で圏域を形成できる場合がある。さらに、この特例による合併1市圏域の場合でも、自治体内における旧市街地間の位置関係や人口規模など様々な形態がある。
圏域形成に向けた各自治体の取組みとして、どのようなメリットや課題があるのか。
(2) 全国では、先行実施団体として24の中心市が、既に圏域形成に取り組んでいると聞く。また、圏域形成には、自治体がそれぞれ協定を締結し、将来像あるビジョンを策定するという過程を経る必要があり、県、市町及び民間との連携も非常に重要であると考える。
県内における、圏域形成に向けた取組状況はどうか。また、県として、圏域形成にどのように関わり、どう取り組んでいくのか。
3 消費者行政について
ガス湯沸器による一酸化炭素中毒事故や牛肉偽装事件など消費者の不安や不信を招く事案が相次いでおり、特に、こんにゃく入りゼリー事故では法のすき間が、また、冷凍ギョーザ中毒事件を巡っては情報伝達の遅れなど縦割り行政の弊害が指摘されてきた。
このような中、消費者を主役とする政府のかじ取り役として、消費者行政を一元的に推進するための消費者庁の創設を柱とする消費者庁関連3法案が今国会で成立した。規制緩和や市場を重視した施策が推進される中、生産者サイドから視点を切り替え、消費者に安全・安心を提供することが求められている。本県でも、昨年12月議会において、愛媛県食の安全安心推進条例を制定したところである。
消費者庁の創設は、我が国が「国民が主役の社会」へと転換していくための大きな一歩であると高く評価するが、新組織ができるだけでは不十分であり、消費者にとって身近な地方の消費者行政が問われていると思う。
国は、今後3年程度を地方消費者行政強化のための集中育成・強化期間と位置付け、相談窓口強化等に取り組む地方公共団体を集中的に支援するとして、平成20年度補正予算で、総額150億円の地方消費者行政活性化交付金を措置し、本県においても約2億3,000万円の消費者行政活性化基金が造成されている。さらに、国の平成21年度補正予算では、この基金に上積みするための交付金として、総額110億円が措置されている。
(1)県内における消費生活相談体制の現状はどうか。
(2)消費者行政活性化基金を活用して、県は消費者行政の充実強化にどのように取り組んでいくのか。
4 果樹農家の経営安定について
食料・農業・農村政策審議会果樹部会では、新たな果樹農業振興基本方針の策定に向けた議論を始めているほか、現行の果樹経営支援対策及び果実需給安定対策の評価・見直しも行うこととしている。また、国は新たな食料・農業・農村基本計画の検討を行っており、今後の食料・農業・農村・果樹政策の方向付けが、今年度中に行われるなど新たな政策確立に向けて極めて重要な時期を迎えている。
しかし、生産現場では国際化の進展や生産資材の高騰などにより、農業生産額及び農業所得は激減するなど危機的状況にあり、耕作放棄地の増加に歯止めが掛からないのが実態である。現在、温州みかんの栽培面積は減少傾向にあり、生産量は昭和50年のピーク時の4分の1にまで減少している。果樹農家は、39歳以下の経営者が全体の2%しかいないのが実態であり、国は、担い手が経営の将来設計を描き、安心して経営改善や産地再編に取り組むことを可能とする政策を、今回の新たな果樹農業振興基本方針を策定する中で検討することが極めて重要である。また、基本方針には、果樹農家の経営安定につながるよう、果実需給安定対策及び果樹共済制度の拡充並びに再生産が可能となるような果樹の経営所得安定制度の創設に関する事項が盛り込まれる必要があると考える。
国に対し、果樹農家の経営安定につながる政策の実現に向け、積極的な働きかけを行う必要があると考えるが、知事の所見はどうか。
5 県産かんきつ等地場産物の学校給食への導入促進について
文部科学省による学校給食における地場産物の活用状況調査結果では、平成19年度の本県の地場産物使用割合は4分の1程度にとどまっている。
国は、昨年6月に学佼給食法を改正し、食に対する正しい理解促進や地元農畜産物の活用など食育の推進について盛り込んだ。また、学校給食施設等を対象とする大量調理施設衛生管理マニュアルについても同時期に改正され、皮付きで提供されるみかん等については洗浄等を省略しても差し支えない旨が明記され、学校給食へのかんきつ類の導入促進の条件が整備された。
しかし、温州みかんの利用状況に大きな変化は見られないと聞く。子どもたちに安全・安心で身近な農畜産物を食べ、地産地消の取組意義を理解してもらい、ひいては地域農業の振興につなげていく上で、地場産物の導入拡大を促進することは重要な取組みの1つになると考える。
こうした状況の中、国の21年度補正予算において、学校給食への地場農畜産物の使用拡大を支援する学校給食地場農畜産物利用拡大事業が創設された。なかなか進みにくい学校給食への県産農畜産物の導入にあたり、こうした新たな事業を積極的に活用し、学校給食現場への働きかけや導入に対する直接支援、さらには地場産物を使った新しい学佼給食メニューづくりなどにつなげていくことができるのではないかと思う。
温州みかんをはじめとする県産かんきつ等地場農畜産物の学校給食への導入促進に係る取組みをどのように推進していくのか。
6 アスベスト使用実態調査の現状について
国では、石綿を1%以上含む製品の製造及び使用の原則禁止などの法的整備が進んでおり、本県でも、平成19年3月にアスベスト対策マニュアルを作成し、大規模建築物所有者等へ配布したり、東・中・南予において、工事関係者等を対象に説明会を開催しているほか、中小企業者等を対象にした環境保全資金融資制度を創設している。また、県有施設については、これまで、アスベスト使用の可能性のある施設について調査し、対策工事等を順次行っている。
しかし、県有施設は良しとしても、民間建築物についても、どの程度調査され、現状把握ができているのかが重要であると思う。
国の昨年度1次補正予算では、アスベストの有無の調査について、補助率及び対象建築物の拡充などが措置されている。この補助を受けるためには、地方公共団体において補助制度の創設が必要であるが、本県では自主財源での制度が1市のみで創設されているとのことである。
民間建築物のアスベスト使用実態調査の現状をどのように認識し、今後、どう取り組んでいくのか。
7 子ども・女性の安全対策について
昨年、千葉県東金市において発生した、5歳の保育園児が殺害された事件など子どもが犠牲になる事件が後を絶たないが、こうした事件の多くは、性に関わる犯行であるとのことであり、常に再発防止に向けた防犯対策が課題となっている。
県民の治安に対する最大のニーズは、犯罪が発生又は拡大しないことであるが、とりわけ、子どもや女性が被害者となる犯罪は、被害者やその家族の心に深い傷を残す悪質極まりないものであり、特に、警察による予防のための取組みは、県民から大きな期待が寄せられているところである。
子どもや女性を狙う性犯罪の多くで、声かけやつきまといといった不審な行動の予兆がみられていることから、今後は、こうした前兆事案に対しても、今まで以上に注意を払っていく必要があるのではないか。
(1)子ども・女性安全対策室が設置された経緯及びその体制はどうか。
本年4月1日に、子どもと女性被害の事件を予防・検挙する専門チームが新設されたと聞く。
(2)本年4月以降、県内の子どもと女性を性犯罪等の被害から守るため、具体的にどのような取組みを行っているのか。